この冬、“自遊人”が手がける《里山十帖》に行ってきました。雪深い新潟県。その中でも特に降雪量の多い南魚沼市にお宿はあります。雪の状態によっては自家用車でたどり着けないような人里離れた山の中。そんな時期にわざわざ行かなくても…と思われるかもしれませんが、里山十帖には冬ならではの特別な魅力がいっぱい。それも含め宿泊レポートを書きながらご紹介したいと思います。
実はこちらに訪れたのは今回で2度目。昨年の冬にも来ています。1年ぶりの再訪です♩
- 里山十帖ってこんなお宿
- 歴史を重ねてきた古民家と現代アートで造る快適空間
- 宿泊棟のパブリックスペースをご紹介
- 宿泊した201と302の詳細レポ
- 絶景露天風呂《天の川》
- 里山十帖、こんな人にオススメ!
- ホテル情報
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里山十帖ってこんなお宿
里山十帖は2014年5月に開業した温泉宿。経営が立ち行かず廃業予定だった旅館をフルリノベーションして建てられています。運営を引き継いだのは全国の美食や上質な旅の情報を発信している雑誌「自遊人」をリリースしている株式会社自遊人。今までにオーナーが3回変わり3回とも匙を投げられた旅館を、瞬く間に稼働率8割の超人気の宿にしたというのだからそのセンス…流石です。
里山十帖を語るうえで《食》と《温泉》は外せません。2020年に新潟のミシュランガイドで1つ星を獲得。ゴ・エ・ミヨでも3トックの高評価を得ています。今年2022年にはヒトサラ ベストシェフ&レストランにも選出され…と食事の素晴らしさは折り紙付きです。そして温泉。とろみのある泉質は美肌効果たっぷり!またその眺望は「日本有数の絶景露天風呂」と様々なメディアで高く評価されています。
ここでしか味わうことの出来ない体験がたくさんある。里山十帖はそんなお宿です。
歴史を重ねてきた古民家と現代アートで造る快適空間
到着してまず通されるのが築150年の古民家をリノベーションして造られたレセプション棟。大きな自動扉をくぐると太い梁と柱が走り、高く抜けた天井に圧倒されました。豪雪に耐えるための重厚な木の建築とモダンなデザイナーズ家具やアート作品が絶妙にマッチした心地良い空間が広がり、一気に旅ムードが高まります。
まずは暖炉の前でチェックインを。ウェルカムスイーツは山椒のチョコレートテリーヌ。去年は神楽南蛮のパウンドケーキでした。
ロビーを含めパブリックスペースにはエッグチェアやシェルチェアなど高級デザイナーズ家具が配置されていて、思う存分試座することができます。憧れの椅子・購入を検討している家具があるならチェックしてみるのも良いかも。リプロダクトでない正規品をゆっくり時間をかけて試せる機会なんてそうそうありません。
ロビーでは17:30から22:00まで《Satoyama Bar》と銘打ってバータイムが行われています。ここでは日本酒や焼酎などのほか 里山十帖の自家製ドリンクがいただけました。ちなみに宿泊時のドリンクリストはこんな感じ。
- 【日本酒】鶴齢 純米 山田錦 無濾過生原酒
- 【日本酒】高千代 みのり酒 純米酒
- 【焼酎】よろしく千萬あるべし
- 【焼酎】雪男 粕取焼酎
- 【梅酒】八海山の焼酎で仕込んだ梅酒
- 【ウイスキー】シーバスリーガル ミズナラ
- 【ノンアルコール】季節の自家製ドリンク
新潟の地酒を片手に名作と言われる家具でくつろぎながら夜を過ごすのも良いかもしれません。
中二階のラウンジ《小屋組み》
Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA
ロビーにあるオブジェ奥の階段を上がると宿泊者専用ラウンジ「小屋組み」あります。ちょっぴり秘密基地ような雰囲気が楽しい。こちらではハーブティーやコーヒーを飲みながらくつろぐことができます。1階からは見えないダイナミックな天井部分を間近に見ることができて面白いです。
早苗饗 −SANABURI−
レセプション棟の左側はレストランの早苗響になっています。メインダイニングと奥に特別室が2室。廊下に5つ個室あります。
ダイニングチェアは常時10種類以上用意してありリクエストも可能。気になるチェアがあったら要望を出しておくと食事の時に用意していただけます。
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宿泊棟のパブリックスペースをご紹介
ロビーから廊下を渡ると宿泊棟です。白い壁に日焼けしていない無垢の木が明るくモダンな印象。レセプション棟の堅牢な雰囲気とは全く違います。というのも宿泊棟の元となった建物が相当なボロだったようでほぼ全取っ替えみたいなリノベーションしたのだそう。だから新築みたいなんですね。
こちらには客室以外にもラウンジとコンセプトショップが併設しています。早速探検してみましょう!
大人の図書室みたい《hito - bito》
こちら宿泊棟にあるラウンジ hito-bito。センスの良いデザイナーズ家具が並んでいます。
レセプション棟のラウンジ「小屋組み」同様、こちらにもコーヒー・ハーブティーが用意されていました。本や雑誌もあるのでゆっくり読書しても良さそう。
里山十帖のお土産探しなら《THEMA》
宿泊棟1Fの1番奥はライフスタイルショップTHEMA があります。店内にはハイセンスな家具やテーブルウェアが並んでいてとってもオシャレ♩その他 里山十帖の客室で使用されているアメニティ類や地元の食材、調味料なども販売しています。
気になったもの・ちょっとしたお土産になるものをピックアップ
あといいな!と思ったのが《テーブル工房kiki》のプロダクト。THEMAで販売していたタオルバーがシンプルで可愛くて♡
参照:テーブル工房kiki
次、リフォームや家を建てたりするならトイレのタオル掛けはコレをつけたいな。写真だとただの棒みたいだけどステキなんです、実物は。
他にどんなものを作っているのか気になってググってみると心惹かれるものがたくさん!
参照:テーブル工房kiki
トイレットペーパーのホルダーやゴミバコもオシャレ。左側の動物モチーフの小物たちは輪ゴムかけだったり、ペン立てだったり。マグネット式なので冷蔵庫に張り付けて使えます。可愛くないですか( Ꙭ)♡
私は記念に…kikiさんのぞうキーホルダーとソーサーを購入しました。これがあればいつかリフォームする時に「そう言えばこんなステキなショップがあったな」って思い出せます。
THEMAに行けばいままで出会えなかったステキなショップに出会えるかも?滞在中にはぜひ訪れてみてください。
宿泊した201と302の詳細レポ
里山十帖の客室は全部で13室。部屋ごとに違ったコンセプトのオシャレなデザイナーズルームになっています。室内に置かれている家具はこだわりぬかれたものばかり。インテリアが好きな方なら堪らないのではないでしょうか?どの部屋もステキなので迷ってしまいますよね( › ·̮ ‹ )
今回は実際に宿泊した201・302 のお部屋をレポートします。どちらも眺望◎のマウンテンビュー・専用露天風呂付きのお部屋です。
201 露天風呂付き Viewメゾネットスイート
里山十帖に2室あるメゾネットタイプの1つです。
下の階はヒノキを壁と床に使用したリビングルーム。全体的に明るくナチュラルな印象でとてもリラックスできました。ソファはハンス・J・ウェグナーのGE290、テーブルはデンマーク製のアンティークです。インテリアがセンス良く配置されていてオシャレ♩自宅もこんな風にできたら…と妄想が捗ります。
玄関横のドアは洗面スペース。ちゃんと上階・下階の両方にお手洗いが付いているのが嬉しいですね。
正面の掃き出し窓を開けると専用の露天風呂。
今年は豪雪だったせいか目の前に雪が迫っています。のぼせたら雪でクールダウン、なんてこともできちゃいますよ。
上階のベッドルームは畳になっています。下の階と雰囲気が変わってこれはこれで良いですね〜♩
デスクが大きめの部屋なのでワーケーションでの利用にも良いかもしれません。
奥のドアは洗面スペース。プラス小さなシャワールームが付いています。専用露天風呂にもシャワーはついていますがこの時期外で体を洗うのは非常に寒いのであったら便利かな?大浴場の内風呂にもシャワーがあるのでなくても別に困りはしません。
展望テラスからは巻機山が望めます。この日は雪が降っていてあいにくの曇り空でしたが、綿雪が降り積もる様子をのんびり眺めるのもなかなか良いものでした。
大きな氷柱。翌日にはもっと育っていました。寒いなあ。
※2022年1月に宿泊しました。
こんな人にオススメ!
- 広い部屋が良い ( 専有面積84㎡と全13室の中で最も広い。202も同等の広さです。)
- 天の川(露天風呂)にたくさん入りたい (天の川から1番近いです。人がいない時間を狙いやすい。)
302 露天風呂付き Viewコーナーツイン
武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科
インテリアデザイン研究室・産学協同デザイン客室里山十帖のクリエイティブ・ディレクター、岩佐十良の母校である武蔵野美術大学インテリアデザイン研究室との産学協同で生まれた客室。
内装とベッドなどの家具は在籍する学生がデザインしたのだそう。ブルーのアクセントウォールが印象的です。
ベッドと一体になったベンチに腰掛けると、目の前に最高の景色が広がります。
斜めにカットされた天井は吹き抜けになっています。梁が良いアクセントになっていてオシャレですね。40㎡と特別広いお部屋ではないですが開放感は抜群です。
テレビは壁の収納に隠れるようになっている仕掛け。部屋の景観を損ねないように工夫されています。収納の中には虫除けグッズ。(冬でもカメムシが出るそうですが滞在中には会いませんでした。)
(A)収納はこのクローゼット。テレビ同様扉を閉じると壁と一体となって見えて主張しません。(B)冷蔵庫の中身は無料で飲めます。(C)おかきも無料です。ジュースやおかきは上で紹介したTHEMAでも販売しているので、気に入ったら購入できますよ。
(D)洗面スペースは玄関横に。(E)カゴの中の茶色のタグがついたタオルは持ち帰ってもOKなものなので記念に頂きました。(F)奥のドアはお手洗い。シンプル&コンパクトで清潔感があります。
最後にお風呂。302号室には専用バルコニーに露天風呂がついています。小さな檜風呂ですが1人で入るには十分だし自由に過ごせるのはやっぱり良いですよね。そしてこの景色…格別です。
夜にはバルコニーで乾杯…♩魚沼の里でゲットしてきた八海山。《あわ》というスパークリングの日本酒です。キリッとした飲み口で食事しながら飲むのに良さそう。
外で飲むのは気持ち良いけど寒すぎて早々に退散しました。笑
※2021年2月に宿泊しました。
こんな人にオススメ!
- 専用露天風呂の眺望の良さ重視 ( 3階にお風呂が付いていて景色が◎)
- 可愛らしい部屋に泊まりたい (上の写真の通り可愛らしい雰囲気です。洗面所のタイルも可愛いんですよ〜)
リラックスしすぎ(!?)な館内着
里山十帖の館内着は浴衣でも作務衣でもなく、とってもカジュアルなルームウェア。肌触りが優しくてとってもリラックスできるのですが、いささかテロテロ…笑。
自宅にいるかのようにくつろげることをコンセプトに掲げている里山十帖さんなので、この超リラックススタイルで館内中、もちろん夕食もOKです。
以外と充実しているアメニティ
里山十帖のHPにある
豪華アメニティは用意しておりません。
里山十帖では、環境への配慮と"使い捨て"をできるかぎり減らすため、アメニティは必要最小限でご用意しております。ご自身でお持ちのものをご利用いただくか、持ち帰って何度か使用していただけたら幸いです。
…という注意書き。
用意があるのは
- フェイスタオル
- バスタオル
- 館内着
- ハブラシ
- 石鹸
- ソックス
- シャンプー&リンス(備え付け)
- ボディソープ(備え付け)
- ドライヤー(備え付け)
とあるためスキンケア類ないのかと思っていたのですが、ちゃんと置いてありました。
クレンジング・洗顔・化粧水・乳液のセット。2021年と2022年でメーカーが変わっていましたがいずれもオーガニックです。でも必要以上には置いていないので、たくさんお風呂に入るならスキンケアやボディクリームを持っていった方が良いですね。
あ、あと以前宿泊したときに使い心地が悪いな…と思ったオーガニックの歯ブラシ。今年は普通のタイプになっていました。評判が良くなかったのかもしれません…。笑
絶景露天風呂《天の川》
里山十帖には2種類の大浴場があり、日本有数の絶景露天風呂と言われている眺望の素晴らしい温泉が楽しめます。温泉は美容液のようなヌルヌルしたトロミのある泉質で美肌効果の高い美人の湯とも言われているそうです。
営業時間は15:00〜翌朝10:00。22:00に男女が入れ替わるので両方入ることができます。
バスタオルは部屋から持参、フェイスタオルはこちらで借りられます。湯上がりには大沢山の自然のパワーをたっぷり含んだ超軟水の湧水を。
(A)温泉へはサンダルに履き替えていきます。8足用意されているサンダルの数で入浴の人数制限をしているため靴箱にサンダルがない場合はは入れません。(B)温泉へは廊下を渡っていきます。片側がルーバーになっていますが以外と寒くない。不思議。
脱衣所は木で造られたシンプルなもの。広くありませんが私が滞在している時は混雑することはありませんでした。感染症対策のためアメニティやドライヤーは撤去されています。
では早速、温泉に入りましょう♩
内風呂は沢山の茶色い湯の花が舞っていてトロトロ!本当にお肌がツルンとなるのが実感できました。少し熱めのお湯が冷えた体に沁みわたる…
そして露天風呂。こちらは右側にある方です。フチが滑らかな檜でできているので頭をのせてくつろげます。温度は内湯に比べて少しぬるめ。寒さのせいかな。丁度良いお湯加減でゆっくりと入ることができました。
絶景露天は、夜になると星空露天に。お風呂の名前の通り、運が良ければ天の川を見ることもできるそうです。これは夏の方がチャンスあるみたい。私は残念ながら見られませんでしたが代わりに星空を堪能しました。昼間とは違う神秘的な空気の中での温泉は また、格別。
評判通りの絶景露天風呂。静かな自然の中で心身共にデトックスできるような贅沢な時間をすごせました。露天風呂も良いですが、内風呂のトロットロ泉もお肌がツルツルになるし少し熱めのお湯が気持ち良かった。
雪の季節だけでなく、紅葉の時期や雪解けの始まる春先も気持ちよさそうですね。夏の天の川もここから見られたら最高だろうなあ。
里山十帖、こんな人にオススメ!
2度宿泊してみて、里山十帖のここが良かった・ここがオススメ なところをまとめてみました。
✔︎ 滋味な美食体験がしたい
✔︎ 大人のくつろげる宿が好き
✔︎ 自由に気ままに過ごしたい
公式HPにもありますが、至れり尽くせりの旅館的なサービスはないし アメニティも最低限。元が古い建物なのてバリアフリーじゃないし子供の宿泊にも制限があります。そういったルールやしっかりしたコンセプトあるからこそ、自宅のようなくつろぎを感じられたり自由にすごす開放感が得られたりと、大人の宿として支持されているのかなと感じました。
万人受けはしないけど刺さる人にはめちゃくちゃ刺さる、みたいな。私はとっても気に入りました。他にはない体験ができる、とても魅力的なお宿でしたよ。是非、また再訪したいと思います♩
ホテル情報
ホテル名 | 里山十帖 |
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住所 | 〒949-6361 新潟県南魚沼市大沢1209−6 |
電話 | 0570-001-810 |
C/IN•C/OUT | 15:00 / 11:00 |
駐車場 | 有り(宿泊者無料) |
アクセス | 最寄駅:上越線「大沢」駅 無料送迎あり(時間は要確認) |
URL | http://www.satoyama-jujo.com |